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☆☆ プライベートなページ ☆☆ | ■ ご注意 ■ このページはプライベートな実験ページです 安全への配慮はされておりません 追試をされる方は 特に感電には十分ご注意下さい |
『STAX SR-404 Signature ドライバーユニットの製作』 ■2A3PP「HK-9」でSTAX・SR-404を聴く■ ■「HK-6」でもトライしてみた■・・結果は(?) NG編 ↓↓ |
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■SR-404を購入■ | ||
最近STAXのコンデンサーヘッドフォンSR-404を購入した。スタックスではこれを「イヤースピーカー」と呼んでいる。手にとって見ると確かに頭からぶらさがった“スピーカー”、決して洗練されたデザインとは思えない、いささかバルキーな容姿でもある。 いや、ヘッドフォンを持っていなかったわけではない。現有はいずれもダイナミック型のヘッドフォンである。このところ仕事をし“ながら”、パソコンに向かい“ながら”ヘッドフォンでCDを聴いたりFM放送を聴き“ながら”が多くなった。その方が集中力が高まるのである。(と、思っているだけ?かも知れない。このページもSTAXで軽い女性ボーカルを聴きながら書いている。) しかしどうも現有のヘッドフォンでは今ひとつものたらない。そう感じるようになると悪い虫が目を覚ます。もっと快適な装着感と耳に優しい音を、ヘッドフォンに求めるようになってしまうのだった。この期におよんでSR-404を購入した動機の一つである。 では、なぜそれがSTAXだったのか。オーディオには各人各様、様々なかかわり方がある。小生は可能な限り、自分で設計・製作したオリジナル機器でオリジナルの音を出す、いわば“参加型オーディオライフ”をコンセプトに長年オーディオにかかわってきた。できればスピーカーも、真空管もトランスも・・・自身で作って自作自演でやって見たい!・・・。しかしそうもゆかない。 そんなオーディオとのかかわりの中で、STAXヘッドフォンには「ドライバーユニット」と称する専用のヘッドフォンアンプが必要なのである。CDプレーヤーのヘッドフォンジャックに“ポチョ”っと挿せばOKというわけにはゆかない。手がかかるヘッドフォンなのである。その上ドライバーアンプに求められるスペックは、真空管で作るのが最適、さほど難しいものではない。こうなったらもう止まらない。 音も良い、装着感も良い、おまけにドライバーアンプの自作までも楽しめる。こう考えるとこのヘッドフォン以外にチョイスは見当たらない。 “虫かご”とも言われるこの奇妙なデザインを見たのは、かれこれ30年以上、いやもっと前だったかも知れない、当時のモデル名「SR-Σ」「SR-Λ」であったと記憶する。STAXのコンデンサー型ヘッドフォンと言えばこの形に懐かしさを感じる。SR-Λを継承するラムダシリーズ「SR-404 Signature」、やたら郷愁の念にかられてしまったのであった。 やがてSR-404が到着した。早速“虫かご”を耳にかけて聞いていた。この姿を家人が見て「なにそれ!?」、やはり奇妙な形に見えるらしい。それでいいのである。でもこの音を聴いて目を丸くしていた。 以下は「先ずは聴いてみよう・2A3PPアンプで」。いずれ自前の「ドライバーアンプの製作記」をご紹介できればと思っている。 |
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■コネクターの調達■ | ||
頭の中ではすでに自前アンプの回路図はできている。しかし、いきなりそれを作るのは近道ではない。先ずは手元の“ありもの”でSR-404のエージングも兼ねてじっくり聴こうではないか。その上で頭の中の回路図を修正する方が良い。それも少しずつである。実際に音を聴いていると作戦が変わることはよくあることである。自前の専用アンプで聴く楽しみは後にとっておこう。それまではバーチャルを堪能する。急ぐ旅ではないのだから。 その前にご忠告。もしや、このページに刺激されて「われも!」とおっしゃる方は、先ずコネクターを入手して欲しい。そうです。ヘッドフォンコードの先端にぶら下がっているオスのプラグを差し込む、シャーシ側のヘッドフォンコネクターである。 これがないと先へは進めない。秋葉での入手は不可(?)だと思うが、スタックスさんへ直接頼めば購入できる。お一人様2個まで。価格は@1,050円(税込み・08年2月時点)。 初期の頃の製品と現行モデルではコネクターが異なるので要注意。現行製品対応は「5ピンPROバイアス用・イヤースピーカーコンセント・SRC-5」と長いが、「プロバイアス用コネクター」でOKだろう。 コネクターのシャーシへの取り付け穴はφ18(+0)、ツバ代が少ないので穴径に注意。本体に回り止めのストッパーがないため、ナットを締める際の位置出しにもコツがいる。 |
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■先ずは聴いてみよう・2A3PPアンプを準備■ | ||
静電型のコンデンサースピーカーは、固定電極に180度位相が反転した振幅を加えて駆動する。要するにPPアンプの出力段上下のプレートに現れる信号である。 負荷となるヘッドフォンは容量性、SR-404の場合は110pF。インピーダンスは145kΩ、しかしこれはあまり気にすることはない。要はキャパシタンス負荷、負荷電流はほとんど流れない。これを電圧駆動と言う。真空管のグリッドに加わる交流信号と同じである。 ただ電圧駆動なるが故に大振幅を固定電極に加える必要がある。とりあえず100Vrmsほど出れば十分な音量で聴けるだろう。しかし後々の本番機では、ノンクリップ300Vrmsあたりを目安とする。この振幅を得るには真空管PPアンプが最適である所以となる。 先ずは手元にある2A3PP「HK-9」で聴いてみた。オリジナル回路に下図のように手を加える。このアンプはモノラル仕様、ちょっと大げさでもある。エコにも逆行する。でも2A3PPでスタックスヘッドフォンを聴く、チョット愉快な気がする・・・・。 ←写真下・改造後の写真。黄色のが追加したフィルムコンデンサー(0.1μ630V) |
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ご注意:真空管アンプの出力管のプレートには、通常300V以上の高い直流電圧が印加されています。実験をされる方は感電には十分ご注意下さい |
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■バイアス電源を準備■ | ||
もう一つ、振動膜には高圧DCバイアスを印加する必要がある。1960年代、当時発売された初期製品のバイアスは230V、しかし現行製品ではリニアリティー改善のためにDCバイアスは580Vにアップされている。この580Vのバイアスをスタックスでは「PROバイアス」と呼んでいる。ちなみに初期製品のDC230Vバイアスを「ノーマルバイアス」と呼んで区別している。 バイアス電圧の負荷電流はほぼゼロ、静電気である。したがってリップル含有は少ない方が良いと思うが、さほど大きな問題にはならない。DC580Vの印加で所定のリニアリティーが得られる電圧だが、パワーアンプ内の電源から400V〜500Vが作れればそれをバイアス電圧として使える。しかしバイアス電圧が低いと音圧は上がらない。少なくとも500Vは必要だろう。 2A3PPの後しばらく異なるアンプでもテストしてみたいので、ありあわせの電源トランスで、整流回路とコネクターを取り付けた実験用アダプター(?)をバラックで作った。回路図は下記のとおり、バイアス電圧の実測は567V、この電圧は4.7MΩの手前で測定する。リップルの実測は2mVp-p、同じく4.7MΩの手前で測定。(感電注意) 後日塩ビシートでカバーをする予定。 ←写真はコネクター部未配線。左中央の抵抗が4.7MΩ。これは手持ちの高圧用セラミック抵抗を使用しているが、1/4W or 1/2W金皮またはカーボンでOK。 ご注意:バイアス電圧の出力には必ず『4.7MΩ』を入れて下さい。 |
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■2A3PPパワーアンプ「HK-9」を改造■ | ■コネクター・ピン配置■ | |||||||||||
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■バイアス電圧電源(実験用)回路図■ | |
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■2A3PPアンプで無事音だし成功■ |
いつもそうだが、始めての音だしは緊張感が伴う。無事音が出るとその音に新鮮さを感ずるのだ。今回のSTAXヘッドフォンはいつになくをそれを感ずる。スタックス自身は何度か聞いてはいるが、2A3PPアンプとスタックス、初めて聴く音である。 このヘッドフォンはエージングに100H以上要するそうだ。いやもっとかも知れない。しかし、そんなの待っていては日が暮れる。いきなり聴いて楽しんでしまうのが小生の流儀。聴いているうちに音が良くなるのであれば、それはそれで大いに結構、自前のアンプを作る頃にはエージングが進んでいるのであろう、先が楽しみである。 STAXの純正ドライバーユニットを手元で長時間使用したことはない。大分以前に店頭で短時間聴いただけである。今聴いている2A3PPとどう異なるのかはわからないが、しかし、そのことはさほど重要なことではない。 フィラメントが交流点火の2A3PP、ハムを心配したが問題はない。ボリューム最大でわずかに聞こえる程度のレベル。ハムバランサーの再調整でキャンセルできる。 新緑の季節のそよ風のような、新鮮な空気が耳元をとおりすぎる。爽快である。かと思うと、鼓膜が震えるかのような地響も聴こえてくる。しかし、怒涛のごとくではない。きめ細かい分解能も一級品、しかし刺激を伴う繊細さではない、限りなく爽快である。CD一枚が何の苦もなく聴けてしまう。 特筆すべきは、音量を下げた時の帯域バランスが絶妙、ボリュームを絞っても音が痩せないのである。「ながら族」にはありがたい。ダイアフラムの軽い静電型の特徴だと思うが、音量大小でのリニアリティーレンジが広い。ゆったりと時が流れる。これが静電型のなせる業なのだろうか。 この部屋での音楽鑑賞とBGMは、ヘッドフォンの使用頻度が上がるだろう。別の部屋にはTAD TD-4001とダブルにつながれたJBL 38cmマルチシステムがある。部屋いっぱいに広がる音を聴きたければこの部屋に行けば聴くことができる。 ヘッドフォン、それも静電型、38cmダブルウーハー・マルチシステム、この対比がおもしろい。我が家の音響空間のダイナミックレンジが広がった。 マルチシステムの音をSTAXヘッドフォーンに合わせようとは思わないが、静電型には独自の世界があり、この音は一つのリファレンスになりうる良質音であると思っている。 2A3PP・モノラルではやはり大げさすぎる。これが机の上に居座ってしてしまっては大いに邪魔である。次はスケールを落として、6CG7PPライントランス付きプリアンプ「HK-6」で聴いてみることにしよう。 |
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■6CG7PPラインコントロールアンプ「HK-6」で聴いてみた■・NG編 |
結論からご報告・・・高域に艶やがない・低域膨らみすぎ・爽やかさがない・・よって改造実験はここまでで打ち止めにした。 ラインアンプとして評価の高い6CG7PPコントロールアンプ「HK-6」に期待を持って改造実験を試みたが、結果はおもわしくなかった。敢え無く実験を中止した。2A3PPで表現していた爽快な音ではないのである。いや、悪い音ではない、しかし、低音域のエネルギーが凄いのである。これではスタックスのあの軽快感と爽快感が表現できない。 HK-6は長時間かけてラインアンプに特化した最適設計がなされている。音決めのポイントはフラットネス、どちらかと言えば「静かな・優しい」音質を目指したもの。プリアンプは過度に「高分解能・シャープな音」を志向してしまうと、プリアンプがシステム全体を支配してしまう。 プリを「入れても入れなくともあまり変わらない、でも入れたほうがいいかな?」位の存在であるべきと思っている。プリの役割は、ラインのコントロール機能はもちろんだが、それ以上にインピーダンス変換機としての役割を求められるのが、現代プリアンプでの重要な位置づけであると思っている。 一方、初段は12AX7・SRPPにカーソード結合位相反転を採用した2A3PP「HK-9」、このアンプの設計思想は従来の2A3PPアンプを越える高音質アンプを目指した設計である。局部帰還採用による電圧増幅段の低ひずみ率化、出力段とのひずみキャンセル効果の排除、オーバーオールNFB採用等々である。 スタックスヘッドフォンはこの両機の設計思想の違いを見事に見抜いてしまう、誠にもって“恐ろしいスピーカ”であることがわかった。しかも耳元で鳴っているのであるからなおさらである。 2A3PPでは基本回路の変更はなし、一発でうまく行ったがHK-6ではいろいろトライしてみた。初段の球を12AU7から12AX7に変えプレート電流を300μA程に下げてみた。NFBの最適化も試みた。いずれも若干高域よりになっては来るが2A3アンプとの溝は埋まらなかった。 かといって無理やり低域をカットするのは本意ではないし本質でもない。設計の根本を変えない限りスタックスを鳴らせないのであろう。しかし、それではHK-6の設計思想が変わってしまいHK-6とは別物になってしまう。これがまさしく「回路設計」の本質なのである。 HK-6は元に戻して、また2A3PPで聴いている。明らかに2A3の方が良い。しかし、6CG7PP「HK-6」での実験は徒労ではなかった。これでスタックスSR-404専用・自前ドライバーアンプの設計目標が定まったのである。 既存アンプでの実験・検討はここで終了とします。 |
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