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■「HK-27」テクニカル・インフォメーション■
☆☆タムラ新型トランス搭載機・第六弾・4-300BC(300B)プッシュプル・モノーラルパワーアンプ☆☆
☆☆12AU7カソードフォロワー・ドライブ・AB2級・PPモノーラル☆☆
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低ひずみ率と高出力(30W)を併せ持つカーボンプレート・4-300BC採用・高音質パワーアンプ☆☆


■本機は2014年AUTUMN「管球王国Vol. 74」発表機です
■このページの技術情報は試作機の実測データが記載されています。素子のバラツキ等で個々の製品の特性は若干異なります。
■サンプル機試作後の検討で,一部設計が変更されているモデルもございます。
■詳細はメールにてご案内いたします。お気軽にお問い合わせ下さい。
『HK-27』はモノーラルパワーアンプです

<写真のクリックで拡大します>
サイドビュー。ボリューム、電源SW等はシャーシ上面に装備。シャーシ上に装備されたメータによりプレート電流の調整は容易である。出力管はカーボンプレート採用の4-300BCを装着。 リアビュー。HK-27のスピーカ出力は、標準仕様で4Ω/8Ω/16Ωに対応する。 HK-27の内部コンストラクション。トランスにはリード線タイプが採用され、生まれたスペースに端子板が立てられ、配線が複雑なPPアンプでも整然と組み立てられる。
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■HK-27・回路図・実体配線図・特性pdf
モデル概要 ■タムラ新型トランス搭載第六弾・4-300BC(300B)PPモノーラル・パワーアンプ
■12AU7カソードフォロワードライブ・固定バイアスAB2級プッシュプル
■高出力PP・モノーラルパワーアンプ・最大出力:30W
■メータ搭載・容易なバイアス調整が可能
■音量調整ボリューム
■NFB ON(6dB)-OFF(無帰還) 切り替えSW装備
使用真空管 4-300BC(300B) x2本(ペアー)
ECC82/12AU7x2本 ECC83/12AX7 x1本・・・モノーラル1台分
定格出力 26W 8Ω負荷 周波数1kHz ひずみ率5%時の出力
最大出力 31W 8Ω負荷 周波数1kHz ひずみ率10%時の出力
周波数特性 10Hz〜30kHz ±1dB以内 出力1W 8Ω負荷 NFB ON時
10Hz〜70kHz ±3dB以内 出力1W 8Ω負荷 NFB ON時
ひずみ率特性 1kHz/10kHz/100Hz 出力10W時 約1%以下 NFB ON時 
ゲイン 28.5dB 周波数1kHz NFB ON時
NFB ON-OFF SW NFB ON≒6dB NFB OFF・・無帰還
入力端子 アンバランスRCA端子・入力インピーダンス100kΩ
出力端子 4Ω、8Ω,16Ω
残留雑音 0.5mVrms以下(VOL Mini時) NFB ON
搭載トランス・型名
(いずれもタムラ製作所製)
出力トランス:F-925(5kΩ)
電源トランス:PC-935
チョーク:A-825(8H 200mA)
AC電源・消費電力 AC100V 50/60Hz・100W(無信号時)
寸法・重量(モノーラル1台分) (W)225x(H)55x(D)350mm・・・シャーシの寸法
ゴム足含む高さ:約220mm
重量:約12
kg
付属資料 回路図・実体配線図・部品表(A3又はA4版・印刷)
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『HK-27』の価格・・・価格はステレオ1セット(モノーラル2台)です。
■本体と真空管セットの価格は消費税・送料を含みます。
(沖縄県・離島の方への送料は別途お知らせします)
■真空管のブランドは代理店の在庫都合等により変更の可能性もあります。
本体パーツ・キット 真空管を除く全パーツセット ¥250,000
真空管セット 4-300BC(GD)・ 2ペアー(4本)
E82CC/12AU7x4本 E83CC/12AX7 2本
¥87,000
完成品 手配線による組み立て・調整済 ¥400,000
真空管なしの完成品も承ります ¥313,000
シャーシ・穴加工済
(シャーシ単品販売です)
天板色:シルバーヘアライン・・標準
天板色:シャンペンゴールドも可
¥22,700/1台
(1台の価格です)
ご購入ご希望の方はメールまたはTEL/FAX:044-522-0926でお問い合わせください
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『HK-27解説・管球王国Vol.74抜粋』

■新型タムラトランス搭載・カーボンプレート仕様の高信頼管4-300BC PPアンプ
タムラ製作所から管球アンプ用トランス(900シリーズ)が新たにライアンプされ、真空管オーディオフェアーで発表されたのは2012年の10月でした。以来900シリーズを搭載したパワーアンプをご紹介してきましたが、本機で6モデル目となりました。それぞれに持ち味のある高音質アンプに仕上がったと自負していますが、中でも管球王国誌Vol.70でご紹介しました大型パワー管KT120PPアンプ『HK-25』からは、KT120の可能性はもとより900シリーズトランスのパフォーマンスも加味されて、ビーム管PPアンプとしては過去に類を見ない高音質アンプに感じます。

今回はこの経験と実績も踏まえてHK-25の回路設計を踏襲し、カーボンプレート仕様の4-300BCを採用したPPモノーラルパワーアンプ『HK-27』を企画してみました。低内部抵抗仕様の直熱三極管は無帰還アンプとすることが多いのですが、本機ではNFB ON-OFFスイッチを設け、無帰還アンプ又は帰還アンプ(NFB=6dB)の音を堪能することができます。また各社の300Bの差し替えにも対応します。
 

タムラ製作所製・F-900シリーズのトランスを搭載したアンプは下記のページでご紹介しています。
☆300Bシングルステレオパワーアンプ・・・『HK-22』
☆2A3シングルステレオパワーアンプ・・・・『HK-23』
☆EL34シングルステレオパワーアンプ・・・『HK-24』
☆KT120PPモノーラルパワーアンプ・・・・・『HK-25』
☆300Bシングルステレオパワーアンプ・・・『HK-26』・・・ロフチンホワイト型

→タムラトランス・900シリーズ・仕様.pdf
 
■出力管4-300BCは12AU7カードフォロワー・バッファーでドライブされる・固定バイアスAB2級動作
HK-27の全回路図は<■HK-27・回路図・実体配線図・特性pdf>でご覧ください。

初段電圧増幅段は12AX7によるSRPP回路、直結された位相反転/プリドライバー段は、カソード結合型ムラード回路を採用しました。出力段4-300BCとの間に12AU7によるバッファー回路を設け、出力段4-300BCをカソードフォロワーでドライブするAB2 PPアンプです。

バイアスの深い300BPPアンプの実力、特に最大出力を引き出すためのドライバー段の設計には大きな配慮をしなければなりません。2008年の管球王国誌Vol.16では、ドライバー段にインターステージトランスでドライバーを採用した、自己バイアスAB1級の300B PPアンプHK-16をご紹介しました。このアンプの出力は、出力トランスには3kΩを使用、ひずみ率5%の定格出力で27.9W、ひずみ率10%時の最大出力は34.7Wと実測されています。

これに対して、ドライバー段にAB2級真空管ドライバーを採用した本機の出力は、出力トランスは5kΩを採用し、定格出力26.7W、最大出力は31.2Wと実測され、トランスドライブのHK-16とほぼ同等の定格出力を得ることができます。

AB2級ドライバー回路からは、AB1級に比べてより大きな出力を引き出すことができますが、私が感じる最も大きなメリットは、カソードフォロワー回路(バッファー(緩衝)アンプ)とも言う)で電圧増幅段と出力段とを分離することで、相互で生じる干渉を回避できることにあります。具体的にはドライバー段の負荷が軽減され、低ひずみ率と高出力電圧が確保されたドライバー回路とすることができます。さらには出力段との間で生じるひずみキャンセルが発生せず、その結果各周波数でのひずみ率が良く揃った特性が得られます。

トランスドライブでは、周波数による位相変化が大きいため各周波数でのひずみ率特性にバラツキが生じます。大分以前のことですが、かつてひずみキャンセルが多く見られるアンプの音からは、時にとげとげしさを感じる音になることを経験して以来、配慮している項目です。

出力段4-300BCは固定バイアス方式、プレート電圧の実測は436V、プレート電流は50mAの設定で、定格出力は実測で約27Wが得られます。カーボンプレートが採用された出力管4-300BC(GD)は、板金プレートの300Bに比べプレート損失の定格40Wから65Wに増強されていますが、本機の出力管の動作はプレート電流を50mAに設定した時約22W、十分余裕のある動作点に設定しています。同時にこの動作点は通常の300Bの搭載も可能です。
 

左図は本機のレベルダイアグラムです。


HK-27は無帰還とNFB6dBの切り替え再生が可能です。無帰還時のゲインは35.1dB、これに実測6dBのオーバーオールNFBを施し、NFB後のゲインは29.1dBの設定です。NFB切り替えスイッチはゲインの切り替えはしていませんので、適宜VRを調整してお使いください。

出力トランス「F-925」の一時側インピーダンスは5kΩです。ここで、2次側8Ωとの減衰比を計算しますと、-27.96dBになります。PPアンプは1次側で正負の波形合成が行われ、その値は6dB増加、したがって減衰比の理論値は-21.96dBとなり、本機の実測値-22.3dBとの差-0.34dBが出力トランスの挿入損失として計算されます。
      

HK-27レベルダイアグラム.pdf


■カードフォロワー回路で“相互接続の原則”を維持
本機の回路のポイントは、KT120PPアンプ・『HK-25』同様、電圧増幅部にSRPP回路を採用したこと。そしてカソードフォロワーによるドライバー段と出力段4-300BCとの接続は、『増幅部の相互接続の原則』に従うこと。この2点です。相互接続の原則とは、限りなく小さな出力インピーダンスで送り出された信号を、限りなく大きな入力インピーダンスで受けるということです。この原則に従うためには入出力インピーダンス変換回路が必要で、本機では12AU7によるカソードフォロワーのバッファー回路がその役目を担っています。

12AU7 SRPPによる初段部と直結されたムラード型位相反転回路の出力電圧は、入力インピーダンス約200kΩのバッファーに入力され、カソードフォロワーで低い出力インピーダンスに変換され、音声信号をロスなく出力段4-300BCのグリッドに入力することができます。同時に電圧増幅段と出力管との間で発生するひずみのキャンセルが生じません。AB2固定バイアスPPで動作する4-300BCはプレート電流50mAの設定で、プレート電圧は約436Vになり、この結果プレート損失は約22W、定格65Wの4-300BCに対しては34%、定格40Wの300Bに対しては55%の動作点です。
 

■フルスケールDC1Vの電圧計でプレート電流を調整する
組立完成後あるいは他の出力管に交換した際、本機はプレート電流の調整を行います。本機のプレート電流の設定は、V4,V5のカソードに入るR20,R21(10Ω)の両端電圧を、シャーシ上に備えられた1Vフルスケールの電圧計を監視しながら、電圧計左右の調整VRで0.5V(50mA)に設定します。

調整要綱は、音量調整器最小、バイアス調整VRを反時計方向に絞り電源を投入、20〜25秒あたりから徐々に針が振れ、40〜50秒後位で一旦安定します。この時点でバイアス調整VRを0.5V(50mA)に設定します。

その後1〜2時間経過後に再度微調整して完了です。メーター上にあるV4,V5の選択SWは、ON-OFF-ON SWを採用しましたので、レバー中央位置でメーターはOFFになります。

V4とV5の電流アンバランスは、出力トランスの規格から最大で8mA以内ですが、通常は1〜2mAには入ると思います。そして、プレート電流の絶対値は45mA〜60mAの範囲に設定されていれば問題はありません。
←シャーシ上に装備したプレート電流調整用メータ

■最大出力は31.2W・4-300BCのプレート損失の定格値65Wに対して余裕ある長寿命設計
本機の一般特性は<■HK-27・回路図・実体配線図・特性pdf>の4ページに示しました。

周波数特性からは、本機のオーバーオールNFBは6dBの設定ですが、高域50kHz近辺からなだらかに減衰する特性は、位相特性に安定感があり、好感が持てる周波数特性が示されています。

100kHz以上の周波数では,出力トランスの周波数特性に依存するところが大きいわけですが,出力トランスF-925の高域特性は特に破綻もなく,素直なインピーダンス特性を持った出力トランスです。

ひずみ率特性は各周波数でのひずみ率特性はほぼ同じ、そしてリニア領域で直線的に増加して行く特性は、電圧増幅段と出力段との間に入るカソードフォロワーの恩恵で、段間で生じるひずみキャンセルが発生していない証です。本機の出力はひずみ率5%時の定格出力で26.7W/8Ω/L、ひずみ率10%の最大出力で31.2W/8Ω/L(いずれも実測値)が得られます。

入出力特性をご覧ください。6dBのNFBを施した後の本機のゲインは29.1dBに設定しました。各段のレベル配分は上図のレベルダイアグラムと合わせてご覧ください。

下のグラフは出力管4-300BCのプレート電流を50mAに設定した時の、出力に対するプレート電流の変化、そして出力インピーダンス(Ro)とダンピングファクター(DF)の値を示しました。

本機の無信号時の消費電力は実測100W/50Hz、突起物を含まないシャーシの寸法は350(D)x225(W)、ゴム足を含む全高は約220mm(いずれもモノ1台分)です。

■品格ある落ち着いたたたずまい。無帰還では高域に煌めき。
肉厚カーボンプレートのマッドな質感が、只ならぬ雰囲気を醸し出す4-300BCの音は、エージングに少し時間を要しますが通常の板金プレート300Bとは少し異なり、ハイエンドまで良く伸びた高域は刺激もなく落ち着いた雰囲気、リアルなピアノの粒立ちの良さ、艶やかな女性ボーカル、弾力性豊かなベース。

カーボンプレートがもたらす、落ち着いた佇まい、時に品格さえも感じる、いわば“大人の音”は、前回ご紹介しましたシングルアンプHK-26に相通ずる音色です。

本機に搭載したNFB ON-OFFスイッチも効果的に作用します。無帰還アンプでの高域の煌めきは小音量再生に、そして、パワフルな再生にはNFBアンプへと、お好みに合わせて選択できるのも本機の醍醐味の一つかもしれません。

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本機の電圧増幅管は、入手が容易な12AX7,12AU7が使用されている。

付属の球はゴールデンドラゴンであるが、ビンテージ管が手元にあれば差し替えてみるのもおもしろい。

写真の球は
12AX7・MULLARD
12AU7・RCAクリアトップ  である。

古い球は特性バラツキも大きいため、測定器で測定しながら複数の球を選別して組み合わせる。

電圧増幅管はプリアンプととらえてお好みの音質に整えてほしい。
   
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