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■「HK-25」テクニカル・インフォメーション■
☆☆タムラ新型トランス搭載機・第四弾・KT120プッシュプル・モノーラルパワーアンプ☆☆
☆☆12AU7カソードフォロワー・ドライブ・AB2級・UL接続KT120PPモノーラル☆☆
☆☆KT120の他KT88/6550A、EL34/6CA7、6L6GC他差し替え可能コンパチ・アンプ☆☆
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高解像度とマイルドさを併せ持つ大出力(45W)・高音質パワーアンプ☆☆


■本機は2013年AUTUMN「管球王国Vol. 70」発表機です
■このページの技術情報は試作機の実測データが記載されています。素子のバラツキ等で個々の製品の特性は若干異なります。
■サンプル機試作後の検討で,一部設計が変更されているモデルもございます。
■詳細はメールにてご案内いたします。お気軽にお問い合わせ下さい。
『HK-25』はモノーラルパワーアンプです

<写真のクリックで拡大します>
サイドビュー。ボリューム、電源SW等はシャーシ上面に装備。シャーシ上に装備されたメータによりプレート電流の調整は容易である。出力管はKT120を装着。 リアビュー。HK-25のスピーカ出力は、標準仕様で4Ω/8Ω/16Ωに対応する。 HK-25の内部コンストラクション。トランスにはリード線タイプが採用され、生まれたスペースに端子板が立てられ、配線が複雑なPPアンプでも整然と組み立てられる。
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■HK-25・回路図・実体配線図・特性pdf
モデル概要 ■タムラ新型トランス搭載第四弾・KT120PPモノーラル・パワーアンプ
■12AU7カソードフォロワードライブ・AB2級プッシュプル
■固定バイアス・UL接続
■高出力PP・ステレオパワーアンプ・最大出力:45W
■KT88/6550A/6L6GC/EL34他差し替え可能コンパチ・アンプ
■メータ搭載・容易なバイアス調整が可能
■音量調整ボリューム
■NFBアンプ
使用真空管 KT120x2本(ペアー) ECC82/12AU7x3本・・・モノーラル1台分
定格出力 44.9W 8Ω負荷 周波数1kHz ひずみ率5%時の出力
最大出力 45.3W 8Ω負荷 周波数1kHz ひずみ率10%時の出力
周波数特性 10Hz〜70kHz ±0.5dB以内 出力1W 8Ω負荷時
10Hz〜150kHz ±3dB以内 出力1W 8Ω負荷時
ひずみ率特性 0.5%以下 1kHz/10kHz/100Hz 出力20W時
ゲイン 20.6dB 周波数1kHz
NFB オーバーオールNFB≒11dB  出力管・・・UL接続
入力端子 アンバランスRCA端子・入力インピーダンス100kΩ
出力端子 4Ω、8Ω,16Ω
残留雑音 0.5mVrms以下(VOL Mini時)
搭載トランス・型名
(いずれもタムラ製作所製)
出力トランス:F-925(5kΩ)
電源トランス:PC-935
チョーク:A-825(8H 200mA)
AC電源・消費電力 AC100V 50/60Hz・100W(無信号時)
寸法・重量 (W)225x(H)55x(D)350mm・・・シャーシの寸法
トランス,ゴム足含む高さ:約195mm
重量:約12
kg
付属資料 回路図・実体配線図・部品表(A4版・印刷)
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『HK-25』の価格・・・価格はステレオ1セット(モノーラル2台)です。
■本体と真空管セットの価格は消費税・送料を含みます。
(沖縄県・離島の方への送料は別途お知らせします)
■真空管のブランドは代理店の在庫都合等により変更の可能性もあります。
本体パーツ・キット 真空管を除く全パーツセット ¥226,500
真空管セット タングソルKT120 2ペアー(4本) 12AU7x6本 ¥58,600
完成品 手配線による組み立て・調整済 ¥345,000
シャーシ・穴加工済
(シャーシ単品販売です)
天板色:シルバーヘアライン・・標準
天板色:シャンペンゴールドも可
¥22,700/1台
(1台の価格です)
ご購入ご希望の方はメールまたはTEL/FAX:044-522-0926でお問い合わせください
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『HK-25解説・管球王国Vol.70抜粋』

■新型タムラトランス搭載・固定バイアスAB2級駆動・大型管KT120PPアンプ
タムラ製作所から管球アンプ用トランス(900シリーズ)が新たにライアンプされ、真空管オーディオフェアーで発表されたのは昨年(2012年)の10月でした。このトランスの開発には私もお手伝いをさせていただいきながら製品化されたトランスという背景もあり、本誌Vol.65では300Bシングルアンプ『HK-22』、Vol.66では2A3シングルアンプ『HK-23』、そして前回Vol.68ではEL34シングルアンプ『HK-24』の3モデルをご紹介してきました。今回はその第四弾とし大型パワー管KT120を搭載したプッシュプル・モノーラルパワーアンプ『HK-25』をご紹介します。

KT120はTung-Solブランドのロシア製復刻版として現在入手は容易な球です。KT120は以前から気になっていた真空管でしたが、今回手にしてみた感想は電極の作りも良く、そして重量感もあり見るからに頼もしい容姿をした真空管です。規格の上ではKT88との互換性を保ちながら、外形も定格も一回り大きくした球で、設計上の使い勝手も良さそうな真空管です。固定バイアス方式を採用した本機では、プレート電流の調整変更でKT88、6L6GC他の多極管への換装が容易に行えるコンパチアンプとしています。  ■■■→タムラトランス・900シリーズ・仕様.pdf
■出力管KT120は12AU7カードフォロワー・バッファーでドライブされる
HK-25の全回路図は<■HK-25・回路図・実体配線図・特性pdf>でご覧ください。初段電圧増幅段は12AU7によるSRPP回路、直結された位相反転/プリドライバー段は、カソード結合型ムラード回路を採用しました。出力段KT120との間に12AU7によるバッファー回路を設け、出力段KT120をカソードフォロワーでドライブするAB2 PPアンプです。前回本誌でご紹介したEL34シングルアンプ『HK-24』ではバッファー回路部に高圧FETを採用しましたが、本機ではオーソドックスな真空管回路を採用しています。

HK-24の項でも述べましたが、AB2級ドライバー回路からは、AB1級に比べてより大きな出力を引き出すことができますが、私が感じる最も大きなメリットは、出力段と前段の増幅回路との間をFETによるソースフォロワーなり、あるいは本機のように真空管によるカソードフォロワー回路で電圧増幅段と出力段とを分離することで、相互で生じる干渉を回避できることにあります。

具体的にはドライバー段の負荷が軽減され、低ひずみ率と高出力電圧が確保されたドライバー回路とすることができます。そしてその結果出力段との間で生じるひずみキャンセルが発生せず、さらには各周波数でのひずみ率が良く揃った特性が得られます。ひずみキャンセルが多く見られるアンプの音は、時にとげとげしさを感じる音になることを経験しています。

出力段KT120は固定バイアス方式、スクリーングリッドはUL接続、プレート電圧の実測は434V、プレート電流は50mAの設定で、定格出力は実測で約45Wが得られます。

出力トランス「F-925」の一時側インピーダンスは5kΩです。ここで、2次側8Ωとの減衰比を計算しますと、-27.96dBになります。PPアンプは1次側で正負の波形合成が行われ、その値は6dB増加、したがって減衰比の理論値は-21.96dBとなり、本機の実測値-22.35dBとの差-0.39dBが出力トランスの挿入損失として計算されます。
左図は本機のレベルダイアグラムです。本機はNFBアンプで、無帰還時のゲインは31.7dBの設定、これに実測11.1dBのオーバーオールNFBを施し、NFB後のゲインは20.6dBの設定です。

各段のレベル配分の詳細は下記pdfフィルで拡大してご覧ください。→レベルダイアグラム拡大pdf

■カードフォロワー回路で“相互接続の原則”を維持
本機の回路のポイントは、電圧増幅部にSRPP回路を採用したこと。そして前回ご紹介しましたEL34シングルアンプHK24と同様、出力段KT120との接続は、『増幅部の相互接続の原則』に従うこと。この2点です。相互接続の原則とは、限りなく小さな出力インピーダンスで送り出された信号を、限りなく大きな入力インピーダンスで受けるということです。この原則に従うためには入出力インピーダンス変換回路が必要で、本機では12AU7によるカソードフォロワーのバッファー回路がその役目を担っています。

12AU7 SRPPによる初段部と直結されたムラード型位相反転回路の出力電圧は、入力インピーダンス約200kΩのバッファーに入力され、カソードフォロワーで低い出力インピーダンスに変換され、音声信号をロスなく出力段KT120のグリッドに入力することができます。同時に電圧増幅段と出力管との間で発生するひずみのキャンセルが生じません。AB2固定バイアスPPで動作するKT120はプレート電流50mAの設定で、プレート電圧は約435Vになり、この結果プレート損失は約22W、定格60Wに対して40%弱の動作点です。

表左はKT120とKT88の最大定格を比較してみた表です。本機ではKT88/6550Aの他、6L6GC(末尾“GC”以外は対応しません)、等のビーム管にもプレート電流を約50mAに調整することで差し替え可能です。真空管の定格以内であれば他の球にも対応します。
KT120とKT88との互換性については、下表のとおりヒーター電流は0.1A〜0.35A増加しますが、今回使用しましたKT120のヒーター電流の実測ではDC6.3V印加時、1.73Aと1.68Aと測定されています。静特性も異なり、KT88のバイアス値のままですと15%程の電流増加になります。ただ、この数値はKT88のブランドによっても異なりますが、KT88からKT120に換装する場合は、あらかじめ念頭に置いておく項目かと思います

■フルスケールDC1Vの電圧計でプレート電流を調整する
組立完成後あるいは他の出力管に交換した際、本機はプレート電流の調整を行います。本機のプレート電流の設定は、V4,V5のカソードに入るR21,R22(10Ω)の両端電圧を、シャーシ上に備えられた1Vフルスケールの電圧計を監視しながら、電圧計左右の調整VRで0.5V(50mA)に設定します。この場合のプレート電流はスクリーングリッドの電流も含みますが、無信号時のスクリーングリッドに流れる電流は極わずかですので、カソード電圧(電流)の値をプレート電流に置き換えています。

調整要綱は、音量調整器最小、バイアス調整VRを反時計方向に絞り電源を投入、20〜25秒あたりから徐々に針が振れ、40〜50秒後位で一旦安定します。この時点でバイアス調整VRを0.5V(5
0mA)に設定します。その後1〜2時間経過後に再度微調整して完了です。メーター上にあるV4,V5の選択SWは、ON-OFF-ON SWを採用しましたので、レバー中央位置でメーターはOFFになります。

V4とV5の電流アンバランスは、出力トランスの規格から最大で8mA以内ですが、通常は1〜2mAには入ると思います。そして、プレート電流の絶対値は45mA〜60mAの範囲に設定されていれば問題はありません。

←シャーシ上に装備したプレート電流調整用メータ

■最大出力は45W・KT120の定格値に対する余裕ある長寿命設計
本機の一般特性は<■HK-25・回路図・実体配線図・特性pdf>の4ページに示しました。

出力管KT120のプレート損失の定格は60Wです。本機での出力管の動作点はEp(434V)、Ip(50mA)、この時のKT120のプレート損失は計算値で21.75Wになり、この値は最大定格60Wの約35%です。

周波数特性からは、本機のオーバーオールNFBは11dBの設定ですが、低域10Hzから高域100kHz近辺までフラットであることが示されています。100kHz以上の高域周波数では,出力トランスの周波数特性に依存するところが大きいわけですが,出力トランス「F-925」の高域特性は特に破綻もなく,素直なインピーダンス特性を持った出力トランスです。

ひずみ率特性は各周波数での特性はほぼ同じ、そしてリニア領域で直線的に増加して行く特性は、電圧増幅段と出力段との間に入るカソードフォロワーの恩恵で、段間で生じるひずみキャンセルが発生していない証です。本機の出力はひずみ率5%時の定格出力で44.9W/8Ω/R、ひずみ率10%の最大出力で45.3W/8Ω/Rが得られます。

入出力特性をご覧ください。11dBのNHBを施した後の本機のゲインは20.6dBに設定しました。各段のレベル配分はレベルダイアグラムと合わせてご覧ください。

下図のグラフは、KT120のプレート電流を50mAに設定した時の出力インピーダンスとダンピングファクターの値、そして、出力に対するプレート電流の変化を示しました。

■KT120の潜在能力を示す高解像度でマイルドな音質
ビーム管PPアンプではKT88の持つ十分なスペック、そしてブランドの選択肢も多く、一般的な出力を持つ回路設計であれば現行のKT88で十分カバーできます。さらには定格いっぱいで使用すれば、100Wアンプの設計も可能なのがKT88の持つ魅力です。そんな中に投入されKT120ですが、その音は現行のKT88では体験できないマイルドな音色に感じます。

ただKT120は電極が大きいせいか、いわゆるエージングに時間がかかるようです。聴き始め当初の音と50時間位経過後の音はまさに激変、高密度、弾力性豊かな低域、そして高解像度、同時にマイルド感を合わせ持つ音質、一見矛盾するようにも思いますが、この球の持つ高いポテンシャルを感じさせます。外形もスペックもKT88より一回り大きなKT120、そしてバランスの良い高音質、今後積極的に使用して行きたい真空管です。
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